サウジアラビアでのラマダンの過ごし方 注意点や配慮すべき点など

ラマダンはイスラム教徒にとって神聖な暦と言われております。サウジアラビア現地で過ごすにあたっては、周りの人たちに配慮が必要です。少しでもラマダンについて理解を深めることが大切でしょう。

ラマダンとは

「ラマダン」とはイスラム教の五行のひとつである「断食」を行う月のことで、イスラム暦第9月のことを指します。

断食は食事だけでなく、水を含む飲み物も対象となっています。

イスラム教徒にとってラマダン月は、信仰心を深め、断食を行うことで貧しい人たちのことを理解し、自分自身を見つめなおす期間とも言われています。

2023年のラマダンは?

2023年のラマダンは、2023年3月22日~4月20日の約1か月間です。

ただし、新月観測における月の満ち欠けによって正式に決まるため、1日ずれることも過去にありました。

ずっと断食しているわけではない

断食は日中、すなわち日の出~日の入りの時間帯が対象となっています。

ただし、病気療養中の人や、妊婦、授乳中、旅行中の人は必ずしも行う必要がなく、後から行っても良いと言われています。

非ムスリムも断食が必要?

非ムスリムは信仰の違いから断食をする必要はありません。

ただし、周りのイスラム教徒は断食を行っていますので、彼らの前でがぶがぶと水を飲んだり堂々と食事をするのは避けた方が無難です。

現地で仕事をしている方々も、現地職員はある程度の理解をしてくれるとは思いますが、それでも一定の配慮はあった方が良いでしょう。

ホテルや街中のレストランは閉まる。スーパーは開いているところもあり。

断食が求められる日中の時間帯は、街中のレストランは当然閉まっています。

ホテルも同様でレストランでの食事の提供はありません。
ただ、一部のホテルでは、ルームサービスで外国人向けに食事を提供しているとことがありました。
旅行中の方はお泊りのホテルに問い合せてみてください。

ちなみにスーパーは日中でも規模を縮小して営業しているところもありますので、飲食物の買い物は可能です。

スフールとイフタール

ラマダン期間中の食事は日が落ちている時間帯に摂る必要がありますが、日の出前と日の入り後、それぞれの食事には特別な名前があります。

日の出前に摂る食事をスフール(Suhoor)と言い、まだ周りが暗いあいだに摂る食事のことを指します。

もう一つが日の入り後に撮る食事のイフタール(Iftar)。

街中のモスクでは市民のために無料で食事が提供されます。

誰でも参加できるので興味のある方は参加してみるのも良いかもしれません。暖かく迎え入れてくれます。

サウジアラビアのイフタール
サウジアラビアのイフタール

また、レストランやホテルでは、イフタールブッフェと称して、いつもより豪華なブッフェスタイルの食事が提供されます(もちろん有料)

いずれの食事も、断食明けにドカ食いすると胃に負担がかかってしまうことから、デーツ(ナツメヤシの実)や飲むヨーグルトなど軽いものがはじめに提供されます。

メインの料理はカプサと呼ばれるサウジアラビアスタイルの炊き込みご飯に大きな鶏肉や羊肉などが乗ったものが大皿に乗って提供されます。

長い日中の断食時間を過ごした後の食事となるので、つい食べ過ぎてしまい、この期間に逆に太ってしまう人が増えるとも。

ちなみに車を運転しているときにちょうど日没の時間帯になると、信号待ちなどの間に慈善団体などの方々が軽食が詰められたイフタールボックスを配ってたりもします。これもサウジアラビアならではの光景でしょう。

周りへの配慮は必要も、無理は禁物

ラマダン期間中は現地の人たちへの配慮はある程度は必要になってくると思います。

ただ、自分の体調が一番ですので、無理に我慢する必要はありません。

サウジアラビアは春先でも30度以上になることもあるので、脱水症状などの危険性も伴います。

そのため無理をせず、少し周りに配慮しながらも水分補給をすることを心掛けておくと良いかもしれません。

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