厳格なイスラム教の国・・・と言われていたサウジアラビア。
キリスト教文化であるクリスマスを祝うことは、タブーとされてきましたが、現在のサウジアラビアではその様子も変わりつつあります。
以前はタブー視されていたクリスマス
イスラム教の戒律を守ることを厳守されてきたサウジアラビアでは、以前は公然でサウジアラビアを祝うことはタブーとされてきました。そのため、サウジアラビアに住むキリスト教の駐在員や移民は、家の中でひっそりとクリスマスをお祝いしていたと言われています。
街中でもクリスマスツリーやデコレーションなど、クリスマス関連の商品を販売する様子を見ることはほとんどなく、似たようなものが販売されていたりすると、宗教警察に咎められるといったこともあったとか。
皇太子の改革でクリスマスツリーが解禁
2017年に皇太子となったムハンマド・ビン・サルマン皇太子によって、さまざまな改革が行われてきたことは有名です。
こちらのサイトによると、2020年以降にクリスマスをお祝いすることに寛大となり、2021年には多くの店舗でクリスマスツリーやオーナメントなどのデコレーションを販売する様子が見られるようになりました。
現地新聞もクリスマス仕様に
サウジアラビアの英字紙、ARAB NEWSも2022年12月25日発行の一面がクリスマス仕様になっています。
サウジアラビアの新聞史上で初めての試みとのことです。
これまでサウジアラビアでは経験しえなかったクリスマスの様子を掲載しています。
出典:https://arab.news/g5bg4
異なる考えや習慣を受け入れるということ
いろいろな宗教を受け入れるということは、その宗教に対抗したり、宗教の祝日を妨げたりしないことです。・・・でも、受け入れることと祝うこととは違います。
Arab News:https://www.arabnews.jp/article/saudi-arabia/article_57282/
ARAB NEWSでは2021年の記事でサウジアラビアで迎えるクリスマスの様子について、現地の方々のインタビューでの発言を紹介しています。
サウジアラビアに住むイスラム教の人たちがクリスマスを「祝う」ことはしないそうです。
しかし、現地には多くのキリスト教の外国人も住んでおり、彼らが祝うことを「受け入れる(受容)」という寛容な姿勢が大切であると伝えています。
日本でも12月になるとクリスマスケーキが販売されたり、プレゼントの贈りあいをしたりしていると思います。
私も子供のころは友人の家に招かれ、クリスマスパーティーをやっていました。
でもそれって私たちがキリスト教徒だからっていう理由ではなく、単にクリスマスというキリスト教の文化を「受け入れ」て、楽しんでいるということではないかと思います。
今後のサウジアラビアでも、クリスマスにプレゼントを贈りあう、クリスマスケーキを食べるといったことが当たり前になってくるかもしれません。